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当院では、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome) の診断と治療を行っております。SASは、睡眠中に呼吸が一時的に停止する病気で、日中の眠気や集中力の低下、高血圧・心疾患・脳卒中のリスク につながる可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群の主な症状

✔いびきが大きい
✔睡眠中の呼吸停止を指摘される
✔日中の強い眠気や倦怠感
✔朝起きたときの頭痛やだるさ
✔集中力の低下・居眠り運転のリスク

睡眠時無呼吸症候群による健康リスクと発症率の上昇

SASを放置すると、さまざまな病気のリスクが数倍に増加 することが報告されています。

高血圧(発症リスク 約2倍)

SASの患者は、正常な睡眠時に比べて血圧が下がりにくく、慢性的な高血圧につながることが知られています。

  • SASのある人は、高血圧の発症リスクが約2倍
  • CPAP治療を受けることで、血圧が平均10~15mmHg低下することが報告されている

心筋梗塞・狭心症(発症リスク 約3倍)

  • SASの患者は、冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)の発症リスクが約3倍高い
  • 無呼吸による低酸素状態が続くことで、心臓の負担が増大

脳卒中(発症リスク 約4倍)

  • SASのある人は、脳卒中の発症リスクが約4倍
  • 特に、1時間あたりの無呼吸回数(AHI)が30以上の重度SASでは、脳卒中のリスクがさらに高まる

糖尿病(発症リスク 約2.5倍)

  • SASがあると、血糖値を調整するインスリンの働きが低下
  • 糖尿病の発症リスクが約2.5倍に増加し、糖尿病患者では症状が悪化しやすい

認知症(発症リスク 約1.8倍)

  • SASによる低酸素状態が続くと、脳の神経細胞がダメージを受け、アルツハイマー型認知症のリスクが約1.8倍に
  • 無呼吸がひどいほど、認知機能の低下が早まることが指摘されている

うつ病・精神疾患(発症リスク 約2倍)

  • SAS患者は、うつ病の発症リスクが約2倍
  • 低酸素状態が脳の神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン)に影響を与え、気分障害が生じやすくなる

交通事故・労働災害(事故リスク 約2.5倍)

  • SASの患者は、日中の眠気により、居眠り運転による交通事故リスクが約2.5倍に上昇
  • 重度のSASでは、事故率が約5倍に増加するとの報告もある

検査・診断について

SASが疑われる方には、簡易検査(自宅でのスクリーニング) や 精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)をご案内しております。
診断結果に応じて、適切な治療方法をご提案いたします。

治療方法

✔CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

就寝時に専用のマスクを装着し、気道を広げて呼吸をスムーズにする治療法です。
SASの標準的な治療とされ、多くの患者さまに有効です。

✔生活習慣の改善
  • 減量や適度な運動
  • 寝る前の飲酒を控える
  • 横向きで寝る習慣をつける
✔マウスピース(口腔内装置)

軽症〜中等症の方には、歯科で作成する専用のマウスピースを使用することで症状が改善する場合があります。

睡眠時無呼吸症候群は放置すると生活の質を低下させるだけでなく、深刻な健康リスクを伴います。
「いびきがひどい」「日中の眠気がつらい」などの症状がある方は、お気軽にご相談ください。